2016年8月

第15回作品紹介(3)「好きです、蓮!!」

2016年8月16日 (火)

台風が 来―――る~~~~~!

台風が来たのに会社が休みにならないと、

「クソッ…雑魚が…」

とつぶやく男 キノコっスよ!

(※会社は槍が降っても休みになりません)

 

明日学校が休みになり、

ゆっくりブログを読めることを祈って

作品紹介いきます!

 

今回紹介するのは、

柏原りんさんの、「好きです、蓮!!」という作品です。

 

A1to

【あらすじ】

 

主人公のひかりは、幼なじみの蓮くんに331回目の

 

告白をしたくらい、彼のことが大好きな女の子。

 

こんなに好きなのに、なんでOKしてくれないの!?

 

もしかして、蓮には他に好きな子が…?

 

そう思い問いただしたところ、蓮は、

 

ひかりの友達であるゆうりを好きだと分かる。

 

ひかりは蓮を応援することを決める…

 

 

 

自分の親友を好きだとわかっても

好きな男の子の片想いを応援しなきゃ、と思う

ひかりの気持ちがせつない

A2na

 

話を動かしていくうちに、

「あれっ これって主人公ヤなヤツじゃない…?」

となってしまうことは、よくあるのですが、

りんさんは、どこまでも蓮が好き、という

つらぬいた設定によって、

主人公は好感度大!!

 

主人公は、かならずしも良い子である必要は

ないのですが、読みきりで好感度が低い…

つまり、「ハァ!? なにこいつ」

と思われるような主人公というのは厳しい(;д;)

 

もっとも重要な、主人公というキャラクター

大事にして作品を組み立てられていました

 

しかし、その代償として、

展開の都合を一身に引き受けた

蓮の好感度が下がってしまいました…

 

蓮は主人公の応援を受けて

ゆうりに告白するのですが

そのあと、ゆうりにフられたショックで

ひかりに甘えてきます。

 

19Pのモノローグで、ひかりが

「こいつ…ゆうちゃんが好きなくせに

 

 なんなの?」

と言っているのですが…

その通りだ!!

 

とキノコも 嫉妬 怒り心頭…

 

こうなってくると

なんでひかりは蓮が好きなワケ??」

となってきてしまい

折角のひかるの好感度も残念な結果に。

 

たぶん、「蓮の魅力」については

りんさんも、「ひかりの魅力」ほど

わかっていなかったんじゃないかな?

 

ヒーローのかっこいいところはここ!

とバシッと決めて描いてみましょう!

質問に本気でこたえてみた!「無数の起承転結」

2016年8月14日 (日)

ブンブン ハローココログ!

さて、小学生のみんな向けということを忘れて

超真面目に答えてみるこのコーナー。

第1回で打ち切りの予感がプンプンするっスけど

「もっと本格的な説明をしてください」と、見学にきた方に言われたので

一度試しにやってみるっスよ

 

実は、「これを聞かれると本当にこまる!」という質問がひとつあります。

それは…「どうすれば面白いストーリーが作れますか?」

というものです。

 

この質問にたいする答えは、 

無数にある ともいえるし、存在しない ともいえます。

 

ただ、ここでは、キノコの考えるひとつの面白さについて

解説します。今回はちょっと難しい内容っスよ!

 

今回の内容は、まんがでは解説しづらいので、

(解説できるほど引用してしまうと、問題があるので)

キノコが最近読んだ本

I AM ZLATAN ズラタン・イブラヒモビッチ自伝」から文章を借りて解説します。

 

みんな知らないかもしれないけど、ズラタンといえば

サッカーのスーパスター。

色々な問題行動で知られているけど、彼の書いたこの本は

「人と同じじゃなくていいんだ。普通じゃなくたっていいんだ」

という子供たちへのメッセージを含んだ 素晴らしい自伝なので

皆も機会があれば読んでみてください。

この本は、単なる自伝に留まらず、物語として非常に優れています。

 

その中の一番笑えた一説を引用します。

 

【以下引用】

時々、黒のベンツの女、ヘレナを見かけた。「ただ見てるだけじゃ我慢できないぜ。なんとかしたいぞ」。それで知り合いから彼女の携帯番号を教えてもらった。まずは彼女に携帯メールを送ったよ。「やあ、元気? 時々、街でみかけるよね」。そして最後に「赤いフェラーリの俺より」と書いた。彼女は返信してくれたんだよ。最後に「黒い車のわたしより」って書いてあった。「何かが始まりそうじゃないか……」。俺は期待したぜ。

 

(シーロック出版社 「I AM ZLATAN ズラタン・イブラヒモビッチ自伝」148Pより引用。ズラタン・イブラヒモビッチ著  沖山ナオミ訳)

【引用終了】

 

 

解説をすると、「ヘレナ」というのはズラタンの後の結婚相手っスよ!

 

この自伝そのものは、

「ズラタン=主人公」という一人の人間の半生 全体についてかかれています。

だからまず、「主人公がサッカーをはじめてから、いかにして成功したのか」

というのが大きなストーリーであり、それに対する起承転結があります。

 

その中で、その一つのエピソードとして、

「どのようにして、パートナー(ヘレナ)と結婚に至ったのか」

というエピソードがあるワケです。

いわば、全体の大きな「起承転結」の中で、「承」のうちのひとつにあたります。

 

「ヘレナとの結婚」エピソードの中において、

今回引用した部分は、2人の出会いを描いているので、

「起承転結」でいえば、「起」の部分にあたります。

 

なのですが、この「起」のエピソードの中に、「彼女を見かけた→番号を知った→メールをしたら→彼女から返信が来た」という、さらに小さな「起承転結」があります。

もっといえば、そのあと「何かがはじまりそうだ」といっているので、「起承転結起」といってもいいっスね。

 

この「ヘレナへのメール」は、「ヘレナとの結婚」を描くために絶対必要ですが

「ヘレナとの結婚」も、「ズラタンの人生」において、

主人公を変化させた一つの出来事として 欠かせない物語として登場します。

 

言い方を変えれば、小さな起承転結は、それより大きな(重要な)エピソードを

進めるために存在していて、関係しあっているということです。

 

つまり、ひとつの会話、ひとつのエピソードそれ自体に、

小さな「起承転結」が成立していて、それが更に大きな「起承転結」に

繋がっていると、一見脱線しているようなシーンでも読者は

興味を持って読めるから、

物語全体にドラマが生まれ、面白いストーリーになります。

 

前回の作品紹介で、「4コマでも、全体にストーリーがほしい」といいました。

実はそれと同じようなことを、今回解説しているのですが、

ややこしく言えば、こういうことになります。

 

この「起承転結」がないエピソード、

もしくは、更に大きな「起承転結」に繋がっていないエピソードが、

まんがの中に入ってくると、

「無駄」「テンポが悪い」「読者の興味から逸れてる」「要素が多い」「内容が分からない」

といった批評を、まんがではされてしまうことになります。

 

また、この「小さな起承転結」が足りないと、

「エピソード不足」「魅力不足」「なんで好きになったのか分からない」「楽しくない」

といった批評につながってしまいます。

 

全体の起承転結にとらわれ過ぎず、

すべての言葉や出来事が、より物語全体のテーマを進めているストーリーが

面白いストーリーではないかと キノコは考えています。

 

もちろん、このエピソードが面白く感じられる前提として、

「主人公(ズラタン)のキャラが面白い」(普通の人がしないことをカッコつけてやっちゃう!)

「主人公に興味がもてる」「主人公がかっこいい」

ということがあるのはいうまでもありません。

 

大きな全体のストーリーは、しっかり作ったはずなんだけど、

なんか面白くない。

そんな時は「小さな起承転結」を意識してみたらどうでしょうか?

第15回作品紹介(2)「平成の政宗くん」

2016年8月11日 (木)

オリn日本選手 夢と感動と更新の気力をありがと!!

内村選手のようにキノコも、

終盤大逆転を目指して ここから描きまくります!!

 

 

※何のことか分からないみんなへ※

 

今、地球の裏側で五……祭典が開かれているけど、

 

大人の事情で、社会人は大会の名前を書けないよ!

 

まんがにも実は、こういう禁止や決まりがたくさんあるんだよ。

 

大きな出来事の裏では、たくさんのお金が動いているからね。

 

みんなも夜更かしのし過ぎにきをつけよう!

 

さて今回紹介するのは、

くろねこさんの「平成の政宗くん」という作品です。

Masa2

【まんが紹介】

 

16歳のはつなは、ひょんな事から5歳の政宗と暮らしている。

 

輝宗(政宗パパ)が、まだ幼い政宗を鍛えるべく、

 

平成の世の中へと送り出したのだった。

 

政宗とはつなの日常を描いた4コマまんが。

 

Masa1_2

くろねこさんの絵柄、作品の内容にピッタリっス!

4コマまんがと言えば、一枚の原稿用紙に、

2ネタ(2列)というスタイルがずっと一般的だったけど、

最近はデジタルまんがの普及もあって、

こういう ワイド4コマとでも言うべきスタイルが定着してきました。

 

更に、まんが(コマを割った普通のスタイルのまんが)と4コマの

ハイブリッドスタイルも、増えてきていますね。

 

まんがは自由なものだから、今の時代の描き方に挑戦する

くろねこさんの姿勢 素晴らしい

 

子供らしく いつも笑顔で

はつなに「構って」をする政宗が愛らしすぎっス

 

でも あんまり無視をすると

手近な道具で切腹を試みはじめる という政宗の

ギャップにも面白さとかわいらしさを感じます!

 

さらに改善したいのなら、

キノコ的には もうちょっと全体のストーリー

欲しかったな、というのが感想です。

 

ちょっと難しいけど 解説してみるっスよ

 

HIGH SCOREを読んでみよう。

4コマひとつひとつは、それだけでオチがあるけど

毎月 その月のハイスコア全体でのストーリーも存在しているし

ハイスコアそれ自体にも 人間関係やストーリーがあります。

 

読んでいて感じたのですが、

はつなと育っていった政宗が、いつか一人前になり

(タイムマシンで?)戦国へ帰っていくとしたら

ロマン&ドラマがありますよ

 

そうした、「出会い」や「別れ」を使って、

別々のネタ展開している4コマ 全体に

ひとつのストーリーを作るのもおすすめ!

 

例えば 今は既に2人が出会った状態でまんががはじまるけど、

これを「えっあの政宗…?」「えっ これ!?」

「かわい~♪」「やめろ!無礼者!」みたいなところから

はじめてみるとか…

 

ある日突然戦国BASARA級にイケメンになった

政宗がいて「俺は帰らなきゃいけねぇ…」とか

言い出すとか…

 

そんな起or結があってもよかったかもしれませんね

りぼんは4コマ&ショート大歓迎!!

くろねこさんの次回作が読めるのを楽しみにまってます!

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